黒毛のあん~Anne of Rabbit Hutch~

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早期発見とか早期療育とか

我が家には発達障害の子供と、発達障害疑いのある子供がいる。発達障害の方が兄で、疑いの方が弟である。

 

弟の疑いとはどんなもんかと言うと、兄の主治医や療育の先生にも「何かありそう」と言われ、1歳6ヶ月健診で引っかかり、心理相談で「DQ(IQの子供版みたいなやつ)は平均ないです」と言われつつ、「一応言葉は出てるし、2歳から診れる病院ないから」と放置されてる状況である。

 

まあ正直、親からしたらグレーじゃなくて真っ黒だ。公認が下りてないだけって感じ。

 

言葉は出るが一方的で会話が成り立つことはなく、一度何かを始めるとやめられず、止めると半狂乱になり、床や壁に頭をぶつける自傷行為を始める。

お気に入りの肌掛け布団を手放さず、夏用のひんやりタイプだというのに真冬でもそれで寝ている。

最近は感触が嫌なのか何かしらのこだわりなのか、服を着るのを嫌がって半裸で過ごそうとする。

オムツ替えの間に全力で動き回るので、ウンチの時は風呂場でオムツ替えしてる(汚しても流せるからね)

寝かしつけを受け付けず、体力を使い切って倒れるまで寝ない。日付が変わるまでになんとか寝てくれたらラッキー。

 

あー、知ってる知ってる。だってそれ、上の子の時もやったもん。

周りの話や育児書とあまりに合わなくて、こっちのやり方がおかしいのかと試行錯誤と努力と無理を重ねて死にかけたやつだもん。

 

まあね、うちはもう数年放置されても、正直どうでもいい。

特別児童扶養手当とかが出たら生活ラクだなとかは正直あるが、ないと暮らせないレベルでもないし。

療育は基本は子供のために行かせるのであって、親がラクになるかと言われると場合による(療育施設の方針とか)。まあそれでもラクになるところならめちゃくちゃラクになるが…まあそれはいい。

 

でもね、それはうちが2人目だから。

初めての発達障害児で何年も放置されたら、相当運がない限りは家庭崩壊するし健康もなくなるし、最悪虐待とか一家心中とかやらかすぞ。マジで。

 

兄の方が1歳だった頃、彼はとにかく寝ない子だった。

午前1時に寝たら大喜びできるレベルである。朝の5時まで起きてることもたびたびあった。

 

昼間にたくさん活動させたら寝るんじゃないか、朝に日光を浴びるのが大事だ、昼寝をさせなければいいんじゃないか、夜は真っ暗にしろ、いや青い光がいいんだ、オルゴールがいいぞ、いやホワイトノイズを聞かせろ…

考えたり調べたり人に相談したりして、試せることは片っ端から試した。

 

朝5時に寝たのに、7時からのラジオ体操に参加して、ご飯をどうにか食べさせ、そのまま夕方まで遊びに出掛けたこともある。

帰りの車で15分ほどウトウトしたかと思えば、そのまま明け方まで大暴れだった時には、正直化け物じゃないかと思った。

 

さて、朝の5時まで起きている1歳児がいる家庭で、大人は何時から寝られるだろうか?

朝5時に寝ると確定していればまだマシだったのかもしれないが、現実には夜9時~朝5時の間のランダムだ(夜9時は3ヶ月に1度くらいだが)

答えは寝られない。睡眠リズムを壊されすぎて不眠症不可避である。

 

当時はまだこんな無職の障害者一家ではなかったので、夫は働いていて、私も子供が保育園にでも入ったら働きたいなと思っていた。

しかし何ヶ月もろくな睡眠を取れていないのに、働くなんて無謀の極みである。

夫は自由のきく仕事だったのでギリギリ続いていたが、朝から出社しないといけない仕事なら絶対無理だったと思う。

 

眠くて眠くて仕方ないのに寝るわけにはいかない「今」が死ぬほど辛いし、将来のことを考えたら絶望しかない。

それだけでも十分辛いけれど、それはこういう障害児を産んだらどうしようもないので、現状は受け入れるしかない苦労だ(施設に預けるとかいう手もあるにはあるが)

 

ただ未診断で辛いのは、そのおかしくて辛い状況が、親の育て方のせいで起きているのではないかという疑惑を、親本人も周りも持ってしまうことである。

そして、親は5時に寝た子を7時からラジオ体操に連れて行くなどという無茶をしでかす。

現在の私たちからすれば、当時の私の行為はただの自殺行為だ。

 

そういう発達段階、そういう障害なのだから、ただ耐えるしかないのである。

そのうち発達が追いつくか、飲める薬がある年齢になる。それまでただ生き延びることを考えるべきなのだ。

 

「ただ耐えるしかない」ということを、誰かが教えて認定してくれるかどうかというのは、とても大きい。

まず、親が諦めることができる。

そして、文句やアドバイスを言ってくる人の半分くらいは「障害だから仕方ないんです」で引いてくれる。(残りの半分はどうしようもないので耳栓でもして我慢するしかない)

 

そういう意味で、行政とかは早期発見にもっと本気を出してほしいと思う。とにかく見つけて、「お前の子は特別製だから、育児書や周りのアドバイスは聞くな」と教えてほしい。

 

早期療育はどうなんだろな。療育もタイプが色々ありすぎて一概には言えない。

うちみたいな、とにかく休める間がなくて死にますってタイプには、単独通所で子供を預かってくれるところがありがたかった(保育園は泣き喚き続けるので、一時保育を使おうと思ったら永遠の慣らし保育で死んだ)

ただ、とにかく子供が宇宙人で理解できなくてツラいってタイプなら、親子参加型がハマるのかもしれん。

片親やワンオペで孤独や不安で死にそうなタイプなら、親とのやりとりを丁寧にやってくれるところが合うんだろう。夫婦で育児してても、プロが相談に乗ってくれて寄り添ってくれるのはすごく心強かった。

 

健常児の親とそれしか見てない支援者には、発達障害児の問題行動は「もっと親がしっかりしなきゃいけないんじゃないの?」と見られがちだが、発達障害児の親やその支援者には「あーわかる! それは本当に辛いよね。よく頑張ってるよ!」と受け止めてもらえるのだ。

これはだいぶメンタルに効く。辛いときに自己肯定感を削ると死ぬからな。命綱だと思って自己肯定感を守れる環境を大事にした方がいい。

 

これだけ書いといてなんだけど、育児で死にかけてる時は、こんなネットの端の端の端にあるブログなんか読む余裕ないんだよな…。

でも何かの奇跡でたどり着いたら、ぜひ無理せずに生き延びてくれ。

 

生き延びたら絶対良いことあるんだよ。

一時は化け物かと思ったうちの子、今は超絶可愛くて優しくて勉強もできるいい子なんだ。

私も何か思ってた未来とは違うけど、呑気にゲームしたりブログしたりして楽しく暮らしてるんだよ。

あなたも生き延びてうちのウマ娘サークルに入ってくれ