支援学級の連絡帳問題
うちの子は今年小学生になって、支援学級に在籍しつつ、通常学級に行ったり支援学級に行ったりしている。
学校の方針が支援学級の子も出来るだけ通常学級で授業を受けようというものらしく、それに沿った形だ。
通常学級か支援学級かというのは入学時に確定するものではなく、その後の状況によっては、通常学級の子が支援学級に来たり、支援学級の子が通常学級に来たりすることがある。
支援学級は先生の数も手厚いので、途中から在籍しても何とかなる。だが、それまでずっと支援学級にいた子が急に通常学級在籍になると、クラスに馴染むのに苦労しやすい。
1年生の1学期は授業も高度なことはしないので、今のうちに通常学級に来てクラスに馴染んでおけば、今後の選択肢も広がるだろう、ということらしい。
まあその方針自体は、私もそこまで反対はしない。通常学級に行くことを強要されているわけでもなく、子供が支援学級に行きたがれば柔軟に対応してくれているし。
うちの子は多動や衝動性があり、手先がやや不器用ではあるが、国語や算数の理解ができないわけではない。DQを引き下げているのは主には運動面である。
小学低学年レベルの漢字は概ね読めるし、足し算引き算も一桁ならできる。時計を読むのは練習中。手先が不器用なので書くのは苦手だが、ある程度解読可能なひらがなは書ける。
多動や衝動性で集中力が落ちた時のフォローがあり、ひらがなのトメハメ等で厳しく否定されなければ、通常学級の授業内容も十分理解してついて行くことができるだろうとは思う。
まあ現実には、騒がずに先生の話を聞いて従うのが疲れるらしく、いつも通常学級に少し行った後、自ら支援学級に行きたいと言って移動するらしい。
私としてはそれでいいと思う。
そういうわけで、小学校には概ね満足しているわけだが、唯一にして最大の懸念点がある。
小学校から来るお知らせがなんか矛盾しとる…。
いや、事情はなんとなく分かるんだ。
通常学級用のお知らせを貰って帰ってくるわけだが、うちの子は支援学級と行ったり来たりしているので話が合わないのだろう。
学級だより等に書いてある「今日は○○をしました」や「宿題のプリントを持ち帰っています」「明日は○○を持ってきてください」という指示が、うちの子には合ってない。
「今日は○○をしました」と子供の話が食い違うし、宿題のプリントはどこを探してもなかったり、内容が違ったりする。持って行った物が明らかに使われないまま持ち帰られる。
恐ろしいことに、来週からは先生のプリントではなく連絡帳でのお知らせになるらしい。
うちの子の字は努力して7割解読できる…かな?というレベルだし、そもそも連絡帳を書く時間に通常学級にいないのでは?という問題もある。
多動と衝動性で人の話を聞いてない子に、先生の話を聞いて覚えてこいなどというのは絶望的である。
え、月曜日からマジでどうすんの…。
送り迎えは親がしているので、その時に詳しく聞ければいいのだけれど、登下校時は先生たちにとっても忙しい時間なのであまり手厚い対応は期待できない。
他の支援学級児はどうしてるんだろうか。とりあえず、学校には持ち物や宿題の連絡で困ってることは伝えるけど…。
「みんなと同じ」じゃないと、こういうチマチマした面倒がたくさん出てくるんだなぁ。
障害者の生きにくさとして、こういうことを語っても、「ショボい…そんくらい頑張れよ」と思われるんだろうけど、こういうことの積み重ねってあると思うんだよ。
みんなは1の労力でできることに、2や3の労力がかかる。ひとつひとつはどうってことないけど、積み重なると「普通」な人には不要な労力を大量に使っている。
そもそも障害者とはどんなに綺麗事を言ったとしても、健常者と比べて何かが劣ってる人である。(健常者と比べて何一つ劣っていない異常者は「天才」などと呼ばれ、障害認定がされない)
劣った部分のある人間に、通常以上のタスクを与えたら、「普通」からなおさら遠のくのは当然の話だ。
とはいえ、障害を持ちながら「普通」に混ざって生きていこうとすると、マイノリティになり、特別な対応が必要になり、そのためには特別な面倒が必要になるのはどうしようもない。
「普通」に生きている障害者は、普通にしているのではなく、「普通以上」の才能や環境や努力を用いて生きているのである。
さてさて、なんか小難しく語ってみたものの、権利だの社会的包括だのの心配よりも、月曜日からの連絡帳の心配である。
たぶん、学校側からしたら「お友達を作ってそいつに聞いてね」で済ませたいんだろうなー。
学校って本当にコミュ障に辛い環境だよね。友達いないと人権ないもん。
大学くらいから先は、友達がいなくても生きていける環境が選べるのに。
コミュ障の障害者に学校は向いてないわー。子供の頃よくあんな陽キャの巣に毎日通ってたな。こわぁ…。
うちの小学校にコミュ障への理解のある先生がいますように…。