黒毛のあん~Anne of Rabbit Hutch~

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大人になったと感じるとき

お題「自分が大人になったなぁ~!と感じた瞬間の出来事って?」

 

子供の頃、親が離婚して父と会えなくなったり、再婚してできた新しい父が突然死したり、母親がメンヘラ感の強い毒親だったりしたので、私はややファザコンをこじらせてまして。

そんな私にポケモン映画の『結晶塔の帝王 ENTE』はめちゃくちゃ刺さったのよね。

幸い、小学生の頃は毎日ひとりで留守番だったので、ぐるぐるぐるぐる延々とビデオで見てた。

 

知らない人もいるだろうからざっくり『結晶塔の帝王 ENTE』のストーリーも説明しとくね。

ママがいなくてパパが大好きな女の子、ミーちゃんがいました。

ミーちゃんは幻のポケモンの絵本を読みながら、「パパって強くて格好良くてエンテイみたい(はーと)」とか思ってたのに、パパは仕事中の事故で行方不明に。

寂しいミーちゃんの願いに反応した不思議なポケモンアンノーンによって、パパ代わりのエンテイが現れ、ママ代わりにサトシのママが連れてこられました。

そして、ママを連れ戻しにやってきたサトシたちと何だかんだ色々ある…って話。

 

ん? 途中から雑? 気になるなら自分で見てくれ。

とりあえず、子供の私には、「寂しい女の子が理想的なパパとママを手に入れる話」が刺さったとだけ理解してくれればいい。正直、サトシがどうとかどうでも良かった。

子供の頃の感想は「ミーちゃんが羨ましい」。これに尽きる。

 

小学生の頃に大好きだったものも、中学高校と進むと卒業する。

特に、「ミーちゃんが羨ましい」だけを胸に視聴していることを自覚すると、何となく恥ずかしくて見れなくなった。

 

でも、いい年した大人になると、今度は中高生の「こんなの幼くて恥ずかしい」という感情を卒業しちゃうんだよね。

 

そんなわけで、大人になってから十数年ぶりに見てみたのよ。

私は大人になってから急速に涙腺が緩くなったので、「やべえな。これは泣いちゃうかもな」とか思いながら。

 

あのね。泣けない。

 

いや、違うな。泣きそうにはなるんだけど、子供の頃とポイントが全然違う。

「ミーちゃんが羨ましい」という気持ちが湧いてこない。

 

視点が親になっちゃったんだね。むしろ、エンテイの方に感情移入しちゃう。

「娘として大事に育ててきたけど、でもここで離れるのがミーのためなんだ…うぇええん」みたいになっちゃう。

 

子供みたいな生活してるし、精神的にそんな成長した気もしないし、大人になった自覚ってなかったんだけど、それで「ああ、自分はもう子供じゃないんだな」って思った。

 

「次のステップに進みました!やったね!」というよりも、「子供という属性からはもう追い出されました」って感じ。

まあな、結婚して子供までいたら、いつまでもお子様気取りでいる方がビビるよな。

 

そんなわけで、私が「大人になったなぁ~!」と感じた瞬間は、『結晶塔の帝王 ENTE』が「理想的なパパママをゲットできていいなぁ」という話から、「大事で大好きな我が子もいつか親離れするんだなぁ」という話に変わった瞬間でした。

 

大人げなくても大人にはなるんだね!